交通事故入院レポート


10月13日 〜 12月14日


10月13日
サバゲーの帰宅後、ふと思い立って職場に顔を出しに行くことにした
かくたる予定もなかったため、今日買った悪趣味な煙草を置いて職場を離脱

んで、帰る途中事故ったんだが、このときの記憶が全然ない
(もっともこの時は記憶どころか意識すらなかった訳だが)
意識を失っていた間、本日の出来事が夢の中のような粗い映像でフラッシュバックされ、どこまでが夢かが判断できずにいた
救急車に乗り込むまでの間、そんな感じだった

その間に垣間見た記憶らしい記憶といえば、体を束縛するベルトの類が苦しくて外したような気がしたのだが、夢だったやら現実だったやら……

で、記憶に混乱がある中、訳もわからず救急車に乗せられ、救急隊員の質問に答える自分がいた
そして気がつくと中央病院なる場所
連絡先を聞かれるも、携帯の番号をそらで言える人なんぞそうそうおらず、いたらいたで連絡がつかずと、色々あったが、なるようになったようだ

それはそうと眼鏡がない
事故のドサクサでどこぞに行ってしまったようだ
こりゃ困った
我が視力は裸眼で0.03程度なのである

それはそうと、あわただしくレントゲンやらCTスキャンなどを行われる
ここで足の皿が3つに割れていたということを聞いたのだが、こちらとしてはめっちゃ痛いのでそれどころではなかったのだが

で、足を縫うことになったワケだ
消毒液7本で洗浄される
最初消毒液がぬるく感じたんだが、徐々に冷たく感じていった
麻酔の後縫合
って、あのー・・・麻酔効いてないんスけど・・・
激痛に耐え(させられ)ながら縫合終了

ここで先ほど連絡がつながった人々の登場となった
職場のMさんとI君、そして肉屋である
店長も途中まではいたそうだが、都合により途中離脱となったそうな
ここで適当に会談した後、緊急治療室(ここの場の正式名称が本当にそれだったかは不明)からICUに移された

こうして、この日より入院開始となった

━余談━
この日の事故は、1分でもずれたら成立しなかっただろう
変な煙草が売っていなかったら、職場に顔を出す事も無かっただろう
もしサバゲーに自分の車で行っていたら、職場への到着時間が1分くらい早まっただろう
この日の天気に雲が混じっていたら、露が降りることもなく野戦に突入していただろうから、帰る時間は遅くなっただろう
起きてしまった事だからしゃあないが、そんな事を事故直後に考えていた

10月14日
ICUで目を覚ます
点滴を注入され包帯を交換し、次いでCTスキャンとレントゲンを取られた

んで、昨日連絡の取れなかった兄が登場した
阿呆だの何だのと暴言が飛び出すかと思ったが、「生きてただけマシだったな」とか「今はゆっくり安め」だとか、この世の終わりが来ても出ないような単語を聞き、肩透かしを食らったような印象を受けた
とりあえず一時帰宅中の愚母といたちを託した
その後は検温と血圧を測定
その時の体温は37.9度、血圧は普通
ちゅうか、血圧なんぞどの値が正常なのかなどわかりゃしねぇし

この日のこの時点の感想としては、とにかく暑い
加えて腰がしんどい
寝返りができないんで、寝ているときの熱と体重が一点に集中し、ものごっつしんどかった

事故から一晩たって落ち着いた状態で、喧嘩師の花山薫が膝を打ち抜かれた状態で立っていたという知る人ぞ知るマニアックな映像が脳裏に去来する

この時点では、時計などの時間を知るすべが一切なく、加えて外の様子が伺えない
看護婦が今の時間を11時とか言っているのを聞いて、夜の23時かと思い込んだ
が、この後面会に来ていたAさん、頭、肉屋の話を聞き、今が昼間だということを知る
それを聞かなきゃ3日目だと思っていただろう
3人は専用の服を着ていた
そういや朝会った兄もそんな服を着ていたな
どうやらそれは滅菌用の服だったらしい

んで、不整脈を指摘された
そういや以前健康診断で指摘されたことがあったな
実害が無いので長いこと放置してたんだが、それは手術の際に出られると厄介なものらしい
んなワケで循環器科送りにされる

ついでに言うと、持病のぜんそくも同じくらいヤバイらしい
そんな事を聞かされたら、今までなんとも無かったのに急にセキが出始めた
まあ、軽めだったんだが
セキは飛行中の戦闘機乗りが口につけてるマスクみたいなのを装着させられ、あっさり鎮圧された
もっともこれで鎮圧出来ないような骨のあるセキだったら、それはそれで困ったんだが

ところでこのICU内でさっきから流れている有線放送のような音楽チャンネルはなんなんだろう?
歌手に規則性がないんでCDではないようだが、ん〜?

今気づいたのだが、上唇、髪の生え際、まぶたにそれぞれかさぶたのようなのがある事に気づいた
ここで初めて「ひょっとしたらえらい事故だったんじゃないか」と思った次第です

その後、ここICUからHCUに移動させられる
その部屋にはテレビがかかっており、明石家さんまと西川のりおがトークしているようだ
眼鏡がないんで見ようとは思わなかったんだが

その後のど自慢番組が始まりシロウトさんの歌う「無法松の一生」だかなんだか、そんなタイトルの歌が流れる
う〜む、実にどうでもいい番組だ・・・

そして消灯となったんだが、夜眠れずに何度も起きた
今まで昼夜逆転した生活をしてたんで、そら眠れんわな

この日はまあ、こんなカンジで終わった
娯楽が一切なく、視力もほとんど無く、えらい暇だった

━余談━
と、日記ではあっさりヒマだと書いたが、えらく苦痛だった
何気ない娯楽でも、あるのとないのでは全然違う
ましてや入院中の時間の長さと来たら・・・
これから入院する予定のあなた
娯楽は大事でっせ
10月15日
起きてから、病院送りにされて初のお食事となった
箸を持っていなかったため、病院から割り箸をもらう
でも、箸を持って救急車に担ぎこまれるやつはいないと思うぞ、実際
故に俺様ノーギルティ
すっかり食い終わった後ふりかけがあったことに気づく
視力が悪いあまり気づかんかったし
カップラーメンにお湯を入れて3分後、ふたを開けたときに、お湯に浮かんだかやくの袋を目撃したような心境である
しっかし量が少ねぇなぁ

検温なんぞする
体温なんぞ普段計らないんで、平熱が何度だかわかりゃしないし
ついでに脈拍数をとられる
昨日からさかんに不整脈を指摘されるが、本人は一切自覚がない
最後に点滴を交換される
ここにかつぎこまれてから24時間ノンストップで入れられていた点滴は、明日まで同じように注入され続けるらしい

暫くして循環器科に連れて行かれた

関係ないが、移動には車椅子を用いられているが、それに乗るときに看護婦に足を持ってもらう
ちょうどミドルキックを受け止められたような体勢になるんだが、この姿勢のまま看護婦がドラゴンスクリューとかを炸裂させたら足がもげるんだろうなとか思ったりした
娯楽がないと、そんなことばっかり頭をよぎる

閑話休題
そこで1時間待たされる
昼時なんでメシはおあずけになっている
ちゃんと連絡して行かなかったのか、後から待ち始めた人全員に順番を抜かれた
んで、待っている人が誰もいなくなった時、自分の番になった
胸部および腹部にゼリーみたいなのを塗り付けられ、機械でなにやら調べられている
この機械の作動音が、ゼリーみたいなのを使っているせいか、「ずぞぞぞぞぞぞ」とかいう気色の悪いバキューム音みたいに聞こえ、えらく不快である
次に部屋を移し、心電図をとることになった
研磨剤を胸部に塗りたくられ…っておい、研磨剤!?
んなモン塗ったらすりへるわい
などという無言の抗議をよそに水分を持ったクレンザーを塗られ、吸盤みたいのを貼られ、心電図の取り方が始まる
明日まで張りっぱなしらしい
うっとおしいなぁ、おい

病室に戻ると伯母、Aさん、肉屋が面会に来ていた
その後兄とも登場し、初日に出なかった暴言を思う存分吐いていった
ついでに足に落書きしていったが、何を書いていったかは不明
視力がないのはつらいねぇ
兄の話で、今回の事故の相手が判明した
相手は未成年で、車は4日に納車になりたてのSMX
その車の横にぶつけたらしい
んな事言われても、こちとら当時の記憶がないんでようわからんて
視力がないんで、兄に眼鏡を持ってきてもらうことにした
ついでに娯楽がないんでGBAと電子手帳を持ってきてもらうことにした
すっげぇ不安だが、他に頼む人がいないんでどうしようもない

その後イトコが登場し、ヤンマガを置いて行った
ここに来て初の娯楽である
視力がないので顔をえらく近づけて読むしかないが、あるのとないのとでは大違いである

その後HCUから普通の病棟に移される
どこをどう通ったかはわからないが、8階の8人部屋の病室に収容された
ここのベッドは電動で動くんで、体を起こすのがべらぼうに楽である
体を起こすのにいちいち看護婦を呼んでいたHCU時代とはえらい違いである

んで、ベッドに運ばれたんだが、そこの天井にだけシミがあり目が悪いのも相乗効果を呼び、人の顔みたいに見えて仕方が無い
まあ、2分後には気にするのを放棄したんだが

ここでお食事となるが、あいかわらず箸がない
そんなワケで病棟からスプーンを借りることになった

明日膝の消毒があると聞かされた
消毒ってなんだ?とか思ったが、明日になればわかると思い、聞かなかった
1週間後に手術となるそうである
今日から車椅子の搭乗が可能だそうである
ただし単独では不可との事
ちゅうか、一人じゃ乗れないってばよ

Sさんが面会に来た
さしあたって必要な物を調達してくれるそうなんで、もの凄ぇ助かる
あとはカバンに入れていたケータイを充電してもらうことにした

さしあたって本日の行動は終了となった
まあ、今日も今日とて夜中眠れず
2時から4時まで、何をするでもなく起きていた

━余談━
今まで朝8時に寝て15時半に起きるという生活を続けてたもんだから、いきなり規則正しい生活を強いられてナンギした
生活リズムを突然13時間早められますか?
答えは否
しばらくの間、日本にいながらにして時差ボケのある生活を送りましたとも

10月16日
早朝「助けてー」「誰か来てー」と叫ぶ別室の人
「今家の人いないからわからないけど」と、起きているときとなんら変わらぬボリュームでの隣人の寝言
そんな素敵な環境の中で5時50分起床

暑い、とにかく暑い
後日そんな暑く感じる事はなかったんで、おそらく自らが発熱してるんだろうが、とにかく暑い
んで、その熱は背中に集中する
きっつー

昨日言われたとおり、今日で点滴は終わった
が、針はそのままでやんの
右手の甲に刺されてるからうっとおしいのなんのって

今日は集団回診とやらだそうで、医師がわらわら登場した
で、毒にも薬にもならんことを言って去っていった
看護婦の話によると、これは医師の勉強会みたいなものらしい
ちゅうか、患者で勉強するなや

昨日予告されていた足の消毒が始まる
包帯を外し、ギプス(正式にはシーネとかいう名称の別物らしい)を外し、傷口をアルコールやら何やらでふき取る
もちろん抜群にしみる

循環器科に機器を返却に行く
吸盤みたいな測定端末を外し、晴れてコードレス人間になれた
吸盤跡がかゆい

兄が面会に来た
注文したGBA、眼鏡、ザウルスの品々は何一つナッシング
やっぱりなぁ・・・不安は的中しちまったし
ここの病院はテレビを見るのにテレビカードなる物を買わなければならない
そのテレビカード(1枚千円)で、テレビを900分見ることが出来る
で、そのテレビカードを貰ったワケなんだが、眼鏡がないからテレビなんて見れんっちゅうのに

車椅子でトイレへ
いちいちトイレに行くのに(と、言うよりも車椅子に乗り込むのに)看護婦を呼ばにゃならんのがつらすぎる

暇すぎるので寝る
ただ居るだけというのはつらいねぇ
今の俺様は娑婆に居ながら禁固刑受刑者の気持ちがよくわかる人間になってしまっている

発熱が続いているので、アイスノンを渡される
頭を冷やせって事らしい

その後、Sさんがケータイを充電した物を持って面会に来てくれた

本日の夕食は焼いたハム
まずい

夜中、事故以来放置されていたBBSに入る
BBSがケータイ対応でよかったぁと、切に感じた
こっそり携帯を使っている関係上、用事が済んだらさっさと電源を切って保存する

今日も眠れず…

━余談━
携帯電話は病院では使ってはいけない
まあ、常識的な話だが、入院患者はそうそう認識していない事が多い
玄関先などの”病院外”で使用するというのはOKなんで、持ち込み自体は許可されている
看護婦なんて見て見ぬふりだし
まあ、実際アドレス帳にしている人も多いだろうし、持ち込み禁止だったら困るなぁ

10月17日
朝からず〜っと、果てしなく続く暇な時間を満喫する
動けないのに加え目が見えない、加えて一切の娯楽が無いから拷問のようだ
嗚呼禁固刑・・・

隣のベッドのYさんが昼寝している
それ自体はまあどうでもいい事なんだが、問題はその寝言
「年寄りだと思って馬鹿にしやがって」と、憎憎しげに言ってくれる
この人も心に黒いモノを飼ってるんだなあ、などと思った

点滴針がうっとおしい
手の甲に刺してあるから、手を枕に出来ないし、利き腕の動作は制限されるしと、邪魔で邪魔で仕方がない
おまけに針を止めてるテープはかゆいし
何とかならんかねぇ

トイレに行く
看護婦を呼び車椅子に乗せてもらう
今は立ち上がった状態で足を一定以下の低さにすると痛いので、行動がいちいちアクロバティックになってしまう
高い分なら問題ないので、ミドルキックからハイキックの状態で支えてもらうしかない
我ながらこれは妙だと思う
ちゅうか、単にトイレに行くだけでイベントになる入院生活がイヤすぎる

今日はCTスキャンなんぞやる事になっている
病室を移動し、いざスキャン
バンドで体を固定され、脳の輪切りの写真が撮影される
頭の上で回転音のようなノイズが聞こえる
実はこの機械はスキャナーじゃなくミキサーで、私の脳味噌ジュースでも作ろうとしてるのではないかという嫌妄想が脳裏をよぎるが、もちろんそんな事はない
いや、期待していたワケじゃあないんだが
かくしてベッドに戻って来た

さて昼飯である
メインの食事はうどん
まあ、それ自体は何の問題もない
多少汁がぬるいが、いつもの栄養摂取以外の目的が見出せないような魚料理に比べたら155倍くらいマシである
問題はただ一つ、今の手持ちの食器がスプーンしかないという事である
うどんをスプーンで喰らうという経験は生涯初である
(おそらく将来においても経験しないだろうが)

その後は暇すぎるので寝てた

SさんとAさんが面会に登場
健康サンダル、ふりかけを始めとした差し入れを色々貰った
次に来るときには箸を調達してきてもらうことにした

そんな中、兄が面会に
調達願いを出していたザウルス、メガネ、GBAをもって来てくれたのだが、眼鏡は10年以上前のもので、全然度が合ってない
まあ、それを使えば本が両目で読めるので、無いよりはマシなんだが
GBAは見つからないということで、ゲームがないまま持ってきた
問題ないのはザウルスだけだった
役に立たーん

失意のまま寝る

寝る前に点滴を打たれる
点滴終わったら教えてくださいと言われたが、点滴が終わってるかどうかわからん

今日も今日とて眠れず
でも、ちょっとは楽になってきたようだ

━余談━
ヒマすぎると寝てしまう
ある意味最強の娯楽なんだが、これを行うと夜また眠れない
嗚呼悪循環

10月18日
朝5時に点滴のため起こされる
そのついでに採血
なんでも麻酔に対する拒否反応をチェックするとかなんとか
その後何も言われなかったので問題はなかったのだろう

朝飯を喰らう
メインのおかずは笹かまぼこ(醤油なし)
病院ってやつはイチイチ薄味で構成されてるのぅ・・・

その後に足を消毒され、次いで体拭きとなる
ギプスのせいで風呂に入れぬため、衛生面の応急処置みたいなもんなのだが・・・
そんな事よりも風呂に入りたいよぅ・・・

んで、オペに向けての調査は続く
まず心電図
不整脈持ちなんで、念入りに調べられるのなんのって
ここで看護婦の話を聞き初めて知ったのだが、不整脈は頭痛やら呼吸困難やらの不具合を伴うのが普通らしい
従ってその不具合で不整脈だと判断するのだそうだが、拙者の場合不具合なんぞ何も無いもんだから、全然自覚なんぞありゃしない
それでも病院側としちゃあ、こっちが考える以上に厄介な代物だと認識してるんだろうなぁ
次に肺機能測定
早い話が肺活量測定なんだが、これが手術と何の関係があるのかが理解に苦しむ
最後に出血検査
皮膚を血ィ出るほど傷つけ、血液が止まる早さを測定するらしい
とりあえず、この辺で今日の計測は終了し、昼飯となった

看護婦に髪を洗ってもらう
入院してから洗ってないんで、気持ち悪いったらありゃしない
視覚が弱ってる分触角が敏感になっているのかもしれない

その後、店長が面会に登場する
色々つもる話もあったワケだ

今日も暇なんで寝る
せめて視力があれば、ここまで暇を持て余すこともなかっただろうに

イトコが面会に来た
どうでもいいが、来るたびに足に落書きして帰るのは如何なものかと思う
おかげで看護婦に笑われてるし

今日も眠れず
日中暇だと寝てしまうという悪循環がそうさせていることもあるんだろうなぁ

夜中、隣のベッドから長文の寝言が聞こえてくる
この人は思ったことは即座に口に出すタイプなのか?

足が痒い
ギプスはやだなぁ・・・

━余談━
今回拙者のダメージの大本は間接なんで、大仰なギプスは終始使用されなかった
骨折のイメージとは違うんだが、そういうものなんだろう

10月19日
早朝に点滴で抗生剤を打ち込む毎日
ちゅうか、なんで朝5時なの?

今日も消毒っと
開放性骨折だったらしいので、化膿しないようにと執拗に消毒する
傷口は化膿はしてないらしい
らしいというのも、自分では見えないからなんだが

とりあえず自力で車椅子に乗れるようになったので、その辺を徘徊してみる
が、視力が無いので面白さを見出せない
そもそもここは最上階で、景色だけはいいらしいんだが、見えないんだってば

暇を持て余したんで寝る

夕飯前に別な点滴を左手に打たれる
うっとおしいのなんの

メシ後に職場のH君とI君が面会に来た
人数が足りないところに拙者まで離脱して色々大変らしい

続いて肉屋と頭が面会に来て、「快気祝いはビクトル膝十字だな」とかほざいて帰っていった

そして面会時間と消灯時間が過ぎた

あたりが寝静まったころ、2つ隣のベッドからダークな内容の寝言がハイボリュームで聞こえてきた
ここの病室は寝言指数が異様に高いのではないか?と思う
その後しばらくして「助けて」と隣のベッドの人が叫んだ事から、上の認識が確信に変わった

━余談━
車椅子は普通は1日単位でレンタルするものらしい
松葉杖とかと併用している人のため、病棟には無料のヤツが置いてあるんだが、拙者は終始それを借りっぱなしだった
1日140円なんて払えますかいな
その車椅子は「流星号」と名付けた
画像はギャラクティック流星号

10月20日
朝の5時50分に電動髭剃りを使う年寄りの存在が、私の心をささくれ立たせる
勘弁してくれぇ

点滴と飯を終え、汗拭きをやる
風呂に入りたくて仕方が無い

次に消毒を終え、今日やることはなくなり激寝

昼飯
また魚である
いつもまずいんだが、今日はひときわまずかった

んで、車椅子でちょっと徘徊した後、また激寝
娯楽なしではや1週間
天井のしみでも数えたろかいとか思ったが、視力が悪いんでそれも叶わず

メシ前にAさんとSさんが面会に来た
談笑の後、足に落書きを書いて去っていった
自分の足に何が書いてあるかわからんのがはがゆい
1日一回しか使用しない癖にケータイのバッテリーが切れくさったんで、Sさんに充電してもらう事にした

その後夕飯
今日は魚ではなく珍しく肉だった
メニューに玉子とうふがあったが、泣くほど不味かった
ちゅうか、誇張じゃなく吐きそうになった
私の心の嫌いなものランキングの上位にいきなり食い込んだ程である

今日も寝れず
さすがに昼間寝すぎたようだ

24時ちょいに吠える別な病室の老婆
痴呆ってやつは自己中心的になっていけない

深夜に地震があった
時計を見ると1時4分だった
まあ、どうでもいい話だが

━余談━
眠れないときはFMラジオを聞いていたんだが、暇つぶしに聞くもんじゃないね
聞きたい番組じゃないんでつまらんし

10月21日
レントゲンを撮る
終わった直後、謎の腹痛に見舞われる
なんだったんだ?

その後問診
医師が何を聞くでもなく素通りして行った
何も無いならいいんだけど、せめて何かコメントしろよぉ

次に脳外科に行かされる
30分待った末、先日のCTの結果を言い渡され、「外傷性くも膜下出血になってて、血のにじみが脳にあったが今はない」という内容の話をされる
へ?わしってくも膜下なんぞやってたん?
どうりで事故ん時の記憶が無いわけだ
いまだにその時の記憶が無いし
なるほどなるほど
病名にはインパクトがあったが、勝手に治ってたんだから気にしない事にした
念のため23日にMRIで脳の検査をやって、細かいチェックをするそうだ

病室に戻ると、ヒゲが伸びたことを指摘された
いや、面倒だから伸ばしてたんだが・・・
手術前には剃るといわれて頭をひねる
何で膝の手術するのに顔のヒゲを剃るの?

飯の後、足が痛いのでギプスを見てみるとケバ立ちがある
なんとかしてもらおうと看護婦に言うと、ケバ立ちの部分にガーゼを当てるという原始的な処置をされた

飯に鶏肉が出た
こんな事がイベントとなる今の生活がとってもイヤだ

んで、点滴なんぞ打つ
腕に刺さっているのが針じゃなくチューブだということを聞いた
確かに針だとちょっと動くと血管傷つけるからなぁ
入院しなけりゃ知りえなかった情報だが、出来れば知らないままでいたかった

メシの後、ギプスの内部が痒く、1時間程度悶絶していた
体を拭くときも対象外だし、痒くなって当然なんだが・・・むー

そして消灯後
毎度おなじみ寝言の時間です
「窓閉めてー」と深夜隣のベッドから聞こえてくる

たまに寝れたと思ったら、「運転手さーん、降りるから止めてー」と4時半から5時までの30分に渡って吠える2つ隣の年寄り
病室の人が全員起きるくらいのヴォリュームで吠えるのはやめてくれや
たまりかねた同室のIさんが「運転手さんはいないから」と語りかけると、「そうか」と返事を返した
この手の人は夢と現実の境界線が曖昧なんだろうな

ギプスで足が痛いあまり、ガーゼを一枚取る
今日はちっと寒かった

━余談━
よく考えると、何故ギプスで足が痛かったんだろう
足型を取ってそれに足を乗せてるんだから、ギプスが当たるとかいう現象は起こらないはずなんだが・・・

10月22日
朝飯である
味噌汁が2つ(味噌汁と豚汁みたいなの)あり、頭をひねる
まあ、ここの食事に期待するだけ無駄なんだが

トイレに行く
なんとか看護婦不在でも車椅子に乗れるようになりたいので、看護婦を呼んだ上でどうしても無理というところまで手出ししないでもらった
最終的にちょっと手助けをしてもらったが、何とか一人でもなんとかなりそうである

今日は飯と歯磨きを済ませると、すっげぇ暇になった
あいもかわらず娯楽も無いし、視力も無い

看護婦に洗髪してもらった
久しぶりである
ちゅうか、せめて2日おきにやってくれよ

点滴の時間になった
チューブの径が細いから、手術のとき付け替えするという事を聞いた
太い針刺すのか、やだなぁ
とか思おうが、変えない訳にはいかないんだろうが

同室のIさんと話す
同室で一番歳が近いという事はわかっていたが、具体的にどんな人かはわからずにいた
プロレスで言うと、グラップル前の探りあいのような状態だったワケだ
ゆえに、どんな漫画を読んでいるかとかいう、当たり障りの無い事から話を始めてみた
立ち読みしている漫画とかを話すと、アッパーズとチャンピオンという組み合わせがあり、ふと思った
「この人ひょっとしてバキ読者?」
聞いてみると、かなり強固なバキ読者だったことが判明
拙者の「バキのディープな読者に悪い人であろうか?否!」という人生哲学から、Iさんとのキン肉マンばりの友情が芽生え始めてしまった

朝の教訓を元に、自力で車椅子に乗り込んでみようとした
左足ズボンのすそをつかみ、ミドルキックの高さにする
んで、車椅子から一定の高さから下がらないように、ダンボール箱を車椅子の左足の下に置く
OH、自力で移動できたではないですか
自らの力のみでトイレまで行けた感動の瞬間である

ギプスで足が圧迫されて痛い
後日考えてみると、自らの足型を取って作成しているはずだから、そんな筈はないんだが
ん〜、謎
まあ、痛かったことは確かなんだが

今日は眠れた
今まで生活リズムが昼夜逆転していたのを、無理やり規則正しく矯正させられてしまったようだ
実に入院9日目での矯正完了である

━余談━
この日、看護婦から入院に当たって調達しておいて欲しいものを聞かされる
その中に紙オムツがあった
半身麻酔をかけるからシモが垂れ流しになるのを防止するのかなぁとか思ってたら、手術による出血でベッドに血が付くのを防止するためとの事
紙オムツってそういう用途でも使うんだねぇ

10月23日
朝飯の後しばらくして、MRIなるもので脳の検査
バンドで頭を固定し、透明の筒に頭を入れる
基本的な作動音がファンキーな機械だという印象を受けた
検査開始からしばらくすると「ベーッベーッベーッ」ってなカンジでやかましい音がし始めた
うるさかったが規則的な音なんで、寝そうになった
そんな感じで20分くらい経過した時、音が変わる
規則的ではあるが、もっとやかましい音になった
こちらは完全なノイズであり、これで寝るのはいささか難しい
寝そうになっていた(ちゅうか、うっすらと寝てた)頭を一気に覚醒させられた
さらにまたしばらくすると元の「ベーッベーッベーッ」ってな音に戻って、検査終了
こう執拗に脳を調べられると、拙者がニュータイプだということが世間に発覚してしまうではないか

その後体拭き
その最中に点滴のチューブが外れるというアクシデンタルに見舞われる
まあ、明日付け替えるっていうんだから別に問題ないんだろうが

んで、手術の前日という事で兄登場
一緒に医師からの手術の説明を受けた
皿をワイヤーで固定する、足の曲がる角度が少なすぎる場合(具体的には90度以下)の場合は再手術との事
んな事で入院が延長されるのはすっげぇイヤだ

明日14時にオペだとの事
手術かぁ・・・
不安になる私に兄が「手術した後、麻酔が切れるとすっげぇ痛いぞ。寝てなんぞいられないぞ」と、不安をいたずらに増大させる呪詛のような言葉を吐いた
あんたは鬼や

手術の前ということで脛毛を剃られ
すべてが終わった後、ふと剃刀が目に入り、刃が赤かったような気がしたが、視力がほとんど無いんでそれが血だったのかどうかはわからないが、たぶん血だったのであろう
やたらとヒリヒリする

んで、点滴のチューブをつけ直す
右手の甲から右手の腕にチューブの場所を移す
さしあたっての不便さは下がったが、依然邪魔である

点滴しながら脳波室に行かされる
赤いカーテンが四方に張り付いている、宝石箱のような部屋に通され、頭になにかゴテゴテつけられた
つけられたのが髪の毛ごしだったのが不気味
針刺したのか?
吸気の指導テープみたいなので「吸って、吐いて」という支持をエンドレスで聞かされる
規則的なんで寝そうになった
計測を終え、厚い計測用紙をもらい部屋に戻る

んで、次にぜんそく吸気マシーン(勝手に命名)を使用する
ナゾの煙を10分近く吸わされる
その最中に消毒され、飯となる

Iさんとサターンのゲーム話の話をする
どうもこのIさんという人物は、拙者と趣味の方向性がかなり似通っているらしい
初期に出たシミュレーションっぽいRPGで、2まで続編が出た「なんたらサーガ」というゲームのタイトルが何だったかが出てこない
しばし悩んだが、結局この日は出てこなかった

んで、入院以来ほったらかしにしていた髭を剃る
剃り終えるのに剃刀を4本使用した
せっかく伸ばしたのになぁ

その後浣腸なんぞされる
ふいに入院前SAOさんが言っていた「この面子の中で女王様に浣腸500cc注入されたのは俺だけだろう」という言葉が頭をよぎる
なお、これ以降は飲み食い禁止だとの事

寝る前に吸気マシーンを使用し、本日は終了
ようやく世間一般の生活リズムにだいぶ慣れてきた模様

寝る前に「骨延長手術」がとても痛いというのを思い出し、一寸不安がよぎる
麻酔をかけるんだし大丈夫だろうと自分に言い聞かせ、就寝

━余談━
むっちゃ不安です
出来る事なら逃げたいが、逃げたら治らんのだろうなぁと思い、いささか欝になる
嗚呼嫌だ

10月24日
採血、検温、血圧、脈、吸気と、恒例の五連コンボを受ける

本日一日は飯抜きである
理由は不明だが、何か食っちゃいけない何かがあるんだろう

Lサイズの点滴を打たれ、水なし吸気マッシーンを使われ、いよいよ手術である

オペの1時間前に移動なんで、それまでに準備が行われる
T字帯なるふんどしの親戚みたいなのを装着させられ、筋肉注射を打つ
事前に看護婦から「痛いですよ」などと言われたが、どうせハッタリだろうと思ったら、事程左様に痛かった

さて、手術である
オペ室の一つ手前の場所でしばらく待機
いる人全員が白衣とマスクに身を包んでおり、学校の給食室を髣髴とさせる雰囲気だった

待機も終わり、手術室へ
そこは思ったより広く、その部屋だけで複数のベッドが並んでいた
部屋の色は全体的に青っぽい色で、半導体の工場みたいだった

で、早速麻酔をかける
体を丸めさせられ、背後から腰に注射をされた
その後氷を触らせられ様子を見られる
氷で麻酔の効きを試しているんだそうだ

看護婦が点滴の管を服に引っ掛け、抜けそうになるが、未遂に終わる
ネタ的にはおいしいんだが、生命維持的にはやばいんで勘弁してほしいね、まじで

んで、再手術にならんといいなぁとか思っている中、口に吸気マスクをさせられ、あっさり意識が消失する
起きたら手術は終了していた
意識が戻るまでの短い間、ロクでもない夢みたいなのを見た
内容は良く覚えていないが、目覚めは悪かった

オペ室を出ると兄がいた
どうでもいいことを悪意たっぷりに語ってさっさと帰ってしまった

この日は病室には戻らず、処置室へと移動させられた
心電図をとるためここで一泊しろってさ
これはもう、不整脈持ちのつらいところである
それはそうと、足にじんじんとするような痛みがあり、ものすげぇ痛い

夕飯時に痛みで悶絶していたら、AさんとSさんに加え、東京出向から帰ってきたYさんが面会に登場した
ギプスに「桜花一番機」と書くとか、ケータイがどうたらという話をしたような気がしたが、痛みで話に集中できないまま、3人は退場となった

脳から汁が出るほど痛いんで、痛み止めを入れてもらう
たいして変わらないようにも感じたが、その後麻酔が切れたときに、足に日本新くらいの速度で激痛が走りまくるんで、そうとう痛みを緩和しているらしい

痛む中、ふと昨日Iさんと話した中で最後まで出てこなかったゲームのタイトルが頭に浮かんだ
「リグロードサーガ」だ
でも、ンなもん思い出したところで痛みが緩むわけでもない

今日は痛くて眠れず
ちょっとウトウトしたと思ったら、定時の点滴でたたき起こされる
またちょっと寝ることができたと思ったら、押してもいないのにナースコールが反応するという、マシントラブルだか超常現象だがわからん現象により、またもたたき起こされる

夜中あまりにも痛いので痛み止めを要求するが、投与間隔は6時間という時間制限があり、今は大体5時間目
乱発すると胃潰瘍などの原因になるそうな
だが、その後の胃潰瘍の可能性よりも、今の激痛を何とかするほうが重要である
が、せめて5時間半経過するまで待てと言われ、30分待たされる
時計がないのでその30分が長かったこと長かったこと

痛みに耐える中、頭に去来した映像は、膝を撃ち抜かれてなお立っていた花山薫と、1箇所ですら酷い激痛を伴う骨延長手術を8箇所施したジャック範馬というマニアックなものだった

ちなみに、全身麻酔が頭に上るのを防止するためとかなんとかで、枕もない
ろくすっぽ眠れないまま次の日にと突入となった

━余談━
痛いんだわ実際
枕はないし、寝返りはうてんし、もう寝るなと言われてるようなモンです
神経が高ぶるのか、いらん事が頭をよぎるのなんのって
風邪ひいたときに見る愚にもつかない夢を見続けているようなもんですわ
10月25日
痛い、べらぼうに痛い
痛い中メシの準備をされ、検温、血圧、脈拍等を計測される
箸は病室にあり、このままではお食事不可能である
速やかにナースコールをし、割り箸を貰うことにした
が、忙しかったようで、そのことをすっかり忘れられる
こちとら昨日一日飯抜きなのに・・・

とにかく痛いんで、痛み止めを注入してもらう
心電図チェッカーでの一晩の計測を終え、元の病室へ

その後眠すぎるので寝た
起きたら痛みが結構楽になっていた

楽になったんで余裕ぶっこいていたら、昼飯の後またえらく痛くなった

痛い中、点滴のチューブを再度細いモノに交換するのを無感動に見ていた
続いて血圧、体温等をチェック
特に異常も無い
異常があってたまるかってんだ

痛み止めを使用して寝た

それはそうと、今は下半身麻酔が効いているわけなんだが、どうも右足にだけ効いているようである
肝心の左足は足の感覚(+痛み)がバッチリあり、足の指も動かせる
対する右足(ちゅうか、左足以外の下半身)は感覚が無く、指も動かすことが出来ない
何か間違ってるんじゃないか?

夕飯の後ゆるい痛みがあったが、耐えて耐えられぬ痛みではないんで、そのまま薬に頼らずに耐えた

━余談━
実習で看護学校生が介護にや見学に来るんだが、その学生に「どこに住んでいるんですか?」と聞かれ「ネバダ州@@町」と答えた
普通ならその場限りの一発ネタとして終わるんだろうが、継続は力ナリで、退院した今もネバダ州出身と言い張っている
ってなワケで、拙者は福島県ネバダ州@@町出身ですんで、以後お見知りおきを
ところでネバダ州って、アメリカのどの辺なんだ?

10月26日
検温、血圧、脈拍を計った後に朝メシ
何故か今日は肩が異様にこっている
肩こりを通り越して痛い

体拭きを行う
その最中、背中の下半身麻酔のチューブが外れている事が発覚
どうりで痛いわけだ
ついでに尿道のチューブを抜く
残尿感があり、甚だ気持ち悪い

んで、着替えして寝た

寝ていたら伯母が面会に来た
実家のクズの話をした
クズは馬鹿にターボがかかったらしい

メシの後、尿瓶で小用を足す
血尿が出て大いに焦る
こわっ

暇なんで寝た

その後消毒および足に溜まった不要な出血を取り出す管を抜く
これまた痛い
痛みに耐えている中、医師と看護婦が子供に何と呼ばれてるかとか、今何歳だとかいう平和な会話をしていた
まさに天国と地獄である
血尿が出たことを言ったら「よくある事だから水分を取れ」という返事が返ってきた
よくある事・・・ねぇ・・・
体の管を全部取り外し、晴れてコードレス人間になった
これにより車椅子での徘徊許可が出た

その後また血尿が出る
加えて唐辛子の破片みたいなのが浮き沈みしている
こわっ

点滴、着替えの後車椅子で徘徊
あいもかわらず視力が無いんで面白くもなんとも無い

メシを終えた頃、職場のH君が、事故で再起不能になった車から、スイス服とベレーを持って面会に来た
スイス服が湿っている
窓が開いているか、フレームが歪んだかで、水分が車内に溜まっているんだろうな
オーディオとかのパーツは車屋に電話しないと外せないんで、車屋に電話してくれとの事である

あいも変わらず娯楽が無いんで、まだ今月号を買っていない本(具体的に言うとイブニングとまんがくらぶオリジナル)を買ってきてもらおうとするが、不発に終わる
どこにも売ってないんだそうだ
しゃあないんでと言う事で、代わりに買ってきてくれた本はコミックバンチ
この本を買うのは「男たちの好日」の最終回ぶりである
そんなこんなで話を終えI君離脱

世間一般では日本シリーズの第一戦が開催されている
試合状況を聞くと、4−0との事
結果は見えたようなもんなんでそれ以上聞かなかった

あー、娯楽が欲しい
ついでに視力も

━余談━
来ないんだ、娯楽も視力も
発狂するわい
特に視力が無いのが困る
裸眼で指紋が見える距離が拳二つ分だと言う事に気付き戦慄した
目が悪いのは困るのぅ

10月27日
点滴の後にメシ
しかる後に車椅子でうろつき、その後検温

あまりにも暇なんで寝る事にした

兄が面会に来た
頼んでいたGBソフトと携帯電話の充電器がやっと調達できた
長かったなぁ、おい

午後は適当にGBなんぞやっていた

夕飯を終えた頃、職場のI君とE君が面会に来た
2人が持ってきたお見舞いの品はプリンとするめとピーナッツ
ある意味底知れぬセンスを感じる(特にするめ)

病院でのメインイベントの手術が終わったんで、これより先の入院生活は地味である

━余談━
見舞いの品で一番多かったのは食料
車椅子時代はトイレに行くのが面倒だっちゅうのに、行く頻度が上がるっちゅう事で、欲しくなかった
次に多かったのは珍妙なもの
扇子に食玩にヌンチャクに・・・
まあ、キライじゃないんだが

10月28日
今日から処置室でCPMなる自動関節技炸裂機を用いて足曲げが行われる事になった
本日の角度制限は60度
入院してから今日まで足なんか曲げてなかったのに、いきなり60度なんて曲がらんので40度から曲げていくことになった
制限時間は50分
処置中急にトイレに行きたくなって、CPMを脱出した
ゆえに本日の角度の測定はナシ
初日なのにねぇ・・・
ただひたすら足を曲げ続けるマシーン「CPM」
病室に戻ると、元同僚のO君が面会に来ていた
視力が無いため雑になっていた荷物を整理してくれた
こいつはすっげぇ助かりましたワイ

んで、O君の去りし後にメシとなった
本日のお食事はカレー
スプーンなんていう気の利いたものは無かったが、以前のうどんをスプーンで食したショックに比べたら、ヌルいのなんのって

処置室で消毒
まあ、いつも通りですな

その後、車屋に電話した

看護婦に病衣の受付がまだだからやってくれと言われたんで、単身車椅子で移動
思えば8階から単身で降りたのも、この日が初めてである
受付を終えた後、売店に一人で行ってみる
まずは山崎ショップなるところに行こうとしたが、その時の姿が病衣のみであり、寒すぎるので断念
次に地下の売店に行ってみた
そこにはチャンピオンがおいてあったので、義務と権利のようにバキを読み、意気揚々と病室に帰った

ふとした事で、IさんにGBAを貸してみた
ゲームは「どーも君の不思議テレビ」
これによりIさん、どーもくんにどっぷりハマってしまった
元々この手のゲームで喧嘩魂に火のつきやすい人だったのだろう

んで、その後メシを済ましてややすると、職場のIさんとYさんが面会に来た
みんな口をそろえて職場が人がいなくて大変だということを語っている
今度来るときはお見舞いは何がいいかと問われたので、文庫がいいと返答
これが、数日後ものすごい量の文庫が差し入れられる伏線となった

2人が去りし後、トイレに行く
今までダンボールを設置していたのだが、思い切ってそれを外してみた
ちょっときつかったが、そのうち慣れるだろうて

この日、会津に初雪が降った
おいおいおいおい、まだ10月だぞ

━余談━
積雪早すぎ
雪国だっちゅう事を差し引いても早すぎるワイ
目が悪いんで最初幻覚を見てるんだと思ったし

10月29日
Iさんはどーもくんにはまり中であり、見てて小気味いい

さて、足曲げである
本日は50度に挑む
挑んでる最中、またもナースコールが暴走した
繋いでもいないナースコールが鳴りくさり、関係者一同首を傾げた
超常現象なんだろう
足曲げは多少の苦はあったが、50度の壁をクリア
1日10度プラスのペースはなかなかイイ
足曲げを終わって帰ろうとしている時に、足を下ろしてもOKと言われた
それどころか全加重、即ち全体重をかけてもOKとの事
んな事言われても、いきなり体重をかけるのは怖いワイ

メシを終え、売店に行ってみた
くっだらねぇ本が山のように売っていた中、ベルセルクが載っているという事でヤングアニマルを購入
通産3冊目の本をGET
って、いかに今まで娯楽に飢えてたかということが伺えるな

部屋に戻ると、部屋換えの話が持ち上がっている
ここ8階を改装するとの事で、この階の人全員が新しい整形病棟へ異動となるそうだ
移動日は11月1日・・・って、明後日じゃん
こらまた急な話じゃのう

それはそうと、今日まで朝夕の2回射ち込んでいた点滴は今日で終了になった
これで点滴のチューブともおさらばだぜヒャッハーとか思ったが、もちろん声には出さない

その後眠かったんで寝る

それはそうと髪洗いたい
最後に洗ってもらったのって・・・げっ、手術前じゃん

その後、AさんとSさんが面会に来て、タバスコをお土産に置いて行った
入院中絶対使わないだろうと思っての狼藉であろうが、これは私に対する挑戦であり、使わなければ”勝ち負けで言うところの負け”である
そんなワケで、本日からお食事が闇雲にスパイシーになる事になった

━余談━
エレベーターを利用するのはいいが、使いすぎじゃないか?
お前は歩行が困難なのか?
お前は幼子でも連れているのか?
お前は妊娠中か?
お前は台車でも運んでるのか?
1階や2階くらい階段使えや

10月30日
今日から点滴代わりの薬が支給される
しかし、病院って奴は念入りに化膿止めを施すんだねぇ

本日は集団回診の日である
医師に素通りされる
面白みに欠ける症状だって事はわかるが、もうちょっと情熱的に見てくれや

最近どうも車椅子の左右バランスがおかしい
アライメントでも狂ってるのか?
まあ、レンタル受付をばっくれて、病棟の車椅子を借り続けてる立場なんで文句は言えんが

本日の足曲げは55度に挑戦
50分の放置の末、55度の角度をクリア

クリア後、車椅子に乗るまでの短い間、看護婦に唆され左足で立ってみようとした
おお、立てるじゃん
でも、まだふらふらするんで、これ以上はやめておく事にした
なお、歩くのもOKなんだとさ

車椅子がおかしいので交換してもらう
これであと10年は戦える

洗髪してもらう
自分で出来ないのが歯がゆい

メシの準備中、テーブルを膝にヒットさせてしまい悶絶する
痛ぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!
食事後経過すること1時間、朝支給された薬を飲み忘れていることに気づいたんで、あわてて飲んだ

幸くんが面会に来た
わしが優雅に事故を起こしている中、時を同じくして車の事故を起こしていたらしい
ここまではバスで来たそうだが、ご苦労様っす
とりあえず場所を1Fに移し、売店だのなんだのをひとしきりうろつき、腰を落ち着ける
そんな折、職場のMさんに1Fで遭遇した
面会に来たんだが、拙者がいないんでお見舞いの本の山を置いて帰るところだったらしい
丁重に謝辞を述べ、Mさんを見送った
んで、病室に戻る
そこで、膝に幸君がおごってくれたジュースの缶がヒットするというアクシデンタル発生
本日二度目であり、あと二度ヒットを出せば猛打賞である
なんでまぁ今日に限ってもう・・・
そういったハプニングを乗り越え、幸君が帰宅してった

あとはまぁ、寝るまでの間は、あいも変らぬ日常が繰り返された

Mさんが持ってきてくれた本は京極夏彦関連のレンガほどある文庫および小説や、陰陽師モノ
それこそ入院中に読破できるかどうかも疑わしい量を持ってきてくれた

なお、当然だが、この日はこれ以上膝になにかがヒットすることは無かった
猛打賞ならず、である
いや、期待していたワケではないんだが・・・

肉屋と頭が面会に登場
100円ショップで買った杖を持ち込んだ
カーテンを閉めたりとかテレビを消したりとか、色々な用途に使えてステキである
あとは「祭」と書いた扇子を持ち込んだんだが、この選択は疑う余地が残る

てなワケで、本日の行動は終了っと

10月31日
メシだの薬だのを済ませ、消毒をする
ギプスは術後2週間で外すという事を聞いた
結構早いんだねぇ

その後は足曲げなんぞする
70度に設定してもらい、曲げられること50分
んで、計測してみると64度だった
初めて設定値と計測値が違ったよ、オイ
再手術の目安である90度までちゃんと曲がるのかが、えらい不安である

午後になり、暇なんで寝てたら問診なんぞされる
明日レントゲンだとの事

Iさんと、移る部屋の下見に行く
おいおいおいおい、まだ工事してるやん
これで明日移れるのかよ
えらく不安になった
明日移れるのか不安になる光景

あとは特にこれといったイベントも無く、この日の行動は終了となった

11月1日
ふと思い立って歩行を試みる
まだぎこちないが、十分歩行できる模様
調子に乗って、左足を支えに「命」のポーズをとる
これも成功だが、流石に足がふらふらするんで、これ以上の奇行は断念した

移動する先の部屋の発表があった
2階の一番奥の4人部屋になるらしい
Iさんとは同室で、他に若い衆2人と一緒になるとの事

足曲げ中に午後一番で移動すると聞き、荷物整理
なお、本日の計測角度は62度
減ってるやん

衝撃をよそに荷物整理
今まで視力が無いため、雑になっていたを通り越して整理できないでいたため、えらい難航する

そんな中レントゲンを撮りに行くことになった
何をするでもなく撮影は終了し、部屋に戻る

部屋に戻るとトイレに行きたくなり、歩けるということで障害者用ではないトイレへ行くことにした
足が曲がらんので、難なくというほどではなかったが、なんとかなる事がわかった
よし、回復してる

メシの後、2Fに引越しする
真新しく、なかなか快適である
ベッドが電動で起きないのがちょっと難アリだが、もうそろそろ必要なくなってきたんで、どうでもいい

事前に知らされていたことだが、同室になった人はTさんとH君という名で、2人とも若かった
この部屋は若者の巣窟といったところか

さて、トイレなんだが・・・
入り口に壁が無く、ナースステーションから丸見えなのは何故?
せめてカーテンくらいは引いてくれや

今日はこれといってイベントも無く、GBなんぞやっていた
消灯後もGBをやっていた

ただし、寝たのは23時半頃である
今までの21時に強制的に寝せられていたのが嘘みたいである
全員若いから21時になんて眠れんちゅうに

この日は何故か呼吸すると痛かった
寝ても痛い
起きて動き回っている時間が急に長くなったからか?
下手なことを言って入院が伸びると困るんで、この事は誰にも言わんかった

11月2日
今日は朝から傷口がチクチクする
おかしいなと思って包帯をめくってみると・・・傷口に当ててるガーゼがずり落ちて、傷口が露出してるやん
んなワケで本来は消毒の予定は無かったが、臨時消毒となった

本日の足曲げ測定値は70度
あ、そうそう、足曲げの時は包帯を取ってギプスを外すんだけど、最近包帯がゆるい
おかげでギプスがぐらぐらするんスけど・・・
今日の消毒もそれが原因だし

今日の昼飯は、パン、シチュー、ポテトサラダと、学校給食みたいだった

売店でシャンプーとリンスを買い、風呂に行く
足をビニール袋とガムテープで濡れないようにコーティングし、湯船には入らずにシャワーだけを利用する

んで、風呂をあがった後、山崎ショップの奥に喫茶スペースがあるんで、そこで病室の人一同で雑談をする
野郎ばっかりが雁首を並べているので、話が自然と下ネタ中心になる

で、部屋に戻ったら全員で寝てしまった
力尽きたのか?
快適に寝るために電気まで消してたし

メシの後は各自思い思いのゲームに興じる
プレステ、プレステ2、ゲームキューブ、ゲームボーイアドバンス
展示会さながらである

消灯後、闇に乗じて車椅子を交換
「ギャラクティック流星号」と名づける
今まで乗っていた「流星号」の片輪のバランスが悪かったのが解消したワケだ

今日も消灯を過ぎても誰も寝てないんで看護婦に怒られる
本日の就寝は24時
そら怒るわな

11月3日
朝の五時に「戸を開けて〜」の叫びで起きる
病室が変わっても相変わらずらしいな

本日の足曲げは、設定が75度で、測定値が55度
うおっ!大幅に落ちてるやん

昼メシの後、視力が無いとか娯楽が無いとかいう状況を打破したくなる
とりあえず正規の手続きを踏んでみようと思い、ナースステーションに外出届の申請書を要求すると、医師の許可が必要なので、日曜日で医師がいない今、今から申請しても今日中には許可が出ないとの答えが返ってきた
しゃあないんで脱走を図る
片棒を担いでもらおうとSさんに電話するが不在
しゃあないんでAさんに電話してみる
Aさんはいたが、今日は行動を共にしていないとの事
他に共謀者を検討し、頭という該当者が思い浮かんだんで電話してみる
すると、脱走に加担してくれるとの返事を貰った
んで、待つこと30分の後、脱走劇が始まる
部屋の人にも根回しをし、脱走開始
とりあえず家に向かってもらう

まずは手始めに家に帰り服の交換をする
何せ今着ているスイス服は重くて寒いゆえ、しんどい事この上ないもんで
ゆえに、軽くて暖かいMA-1と交換する
その他ドラクエ3や三国志の蔵書などを持ち出す事にした
ついでに銃やライトなど持ち出そうとしたが、視力がおぼつかないため断念
この日家に居合わせた兄が、拙者が足が不自由なことを承知の上で、ご丁寧に階段に道具を設置するという嫌がらせを披露してくれた
この人に頼らないで本当に良かったと思うひとときである

その後、メガネの注文をしに、イトコの勤務する眼鏡屋に行ってもらった
検査すること30分後、出来上がりは1週間ほどかかると言われる
わしってそんなに目が悪かったんだ…などと再確認する

んで、同室のみんなに娑婆のお土産を買い、帰参
短期間で帰ったんで、看護婦に不審がられずにすみ、脱走は成功だったと結論付けた

今日も寝ないで看護婦に怒られ、24時に就寝っと
11月4日
本日の足曲げは68度だった

それはそうと、売店に煙草なんぞ買いに行く
銘柄が見えないんで、とりあえずフロンティアをオーダー
吸ってみてライトだったことに気づく
なんじゃこの腑抜けた煙は
などと一人毒づくが、自分で注文した結果なので、誰にも文句が言えない
糞っ、視力があれば・・・

本日はシャワーなんぞ入る
例によって足にビニールを巻きつけ、制限時間の30分を謳歌する
30分って、足が不自由だと短いんだねぇ

AさんとSさん面会に登場
かねてから依頼していた「まんがくらぶオリジナル」を購入してきてくれた
ふと思い立って、ザウルスでネットに入ろうと思い立ち、Sさんにモジュラーケーブルを持ってきてもらうように依頼する
その後、暇を持て余し、我が左足に「右足」と書くAさん
黙々と「クロスワード」を解くSさん
んで、一緒に売店に行くことになり、ICテレカと戦車ラムネを購入
出たのはKV-1・・・微妙・・・
左足に書かれた「右足」の文字
2人の去りし後、外出許可証を持った看護婦が現れた
あ、そういえば昨日、欲しいって言ったから持って来てくれたんだ
「看護婦さん、それはもういいんだ」とも言えず、とりあえず受け取っておくことにした

それはそうと、昨日のわしに触発されたのか、今日はH君が脱走である
戻るかどうかが疑問視されていたが、無事に戻ってきた

消灯過ぎにトランプ大会が催される
まずはページワン
基本ルールなんぞ覚えてないし・・・
続いて大富豪
拙者は場の札が見えず、2枚出ているのに1枚だと勘違いし、手の内を見せてしまうという自体が続出し、ロクでもない成績だった
やっぱり視力0.1以下の現状でのトランプはきつい

開催中、あまりに騒がしかったのに加え、別室のA君まで参加していたんで、今日も看護婦に怒られ強制就寝となった

11月5日
朝、いつもより早めに足曲げをやる
本日の記録は77度

その後回診となった
「足何度曲がる?」との質問程度で回診終わり
わしでもできそうな回診じゃのう

んで、連日騒ぎすぎたため、首謀者のTさんとH君、並びに別室のA君の緊急の島流しが行われる
H君は7階に移動、TさんとA君は退院する事になってしまった
すげぇ・・・

メシの後、付近のコンビニに自力で行ってみる事にした
道路をまたぐんで正直しんどいが、そこはそれ、ガッツで対応
ギャラリーフェイク、まんがくらぶという娯楽を購入し、意気揚々と病室に凱旋した

で、消毒なんぞする
今日はいつもガーゼの下に敷いてある網が使用されてない
日に日にぞんざいになっていくような気がするが、「回復してるんだ」と思うことで自分を納得させた
金曜日には抜糸するそうだ
OH、いよいよギプス撤去デスネ

その後、眠かったんで寝る事にした

起きてから売店に向かう
この前Aさん&Sさんのいる時に戦車を買ったことで、拙者の中で眠っていたモノが目覚めてしまったらしい
出たのはタイガー2とIII突
絵ヅラ的には上出来である

夕メシを終え、Tさんの退院雑談会が山崎にて行われた

さて、今日はIさんが脱走した
いつまで経っても戻らないんで、9時過ぎから看護婦が騒ぎ出し始めた
22時半頃、Iさんにメールで現状を説明し、看護婦にはシラを切る
結局Iさんは23時過ぎに帰宅した
初犯なんで島流しとかにはならないらしい

本日は24時に就寝した

11月6日
点滴に代わって支給されていた薬も今日で打ち止め
ちゅうか、骨が外に出ると念入りに化膿止めするのね

飯も終わって、謎の奇病「戦車が欲しくてたまらない病」の発作が起こり売店へ
出た戦車はヤクトパンターとティーガー2
ヤクトパンターはともかくティーガーはイイ

んで、足曲げなんぞぞやった後、またも発作が再発
4つ買ってヘッツァー、スターリンが各2つづつ
可もなく不可もなくの出である

メシを経て、大富豪で熱い勝負を繰り広げたA君が退院となった
どうも見せしめくさいんだが・・・くわばらくわばら・・・

んで、やる事も無いんで寝る
寝てるうちにTさんも退院してしまったそうな

起きて後、Iさんの誘いでPS2のゲームなんぞする
・・・が、見えねぇし・・・
あああああ、視力ぷりぃぃぃず!!

その後、Sさんが面会に登場
モジュラーケーブルとサンダルを調達してきてくれた
下手な血族よりも物資調達の任を担ってくれるSさんが頼もしくてたまらない
んで、雑談なんぞする中で、ペルソナなるモバイルが中古屋で安く売っているとの情報を得た
それさえあれば日記も編集できる・・・
速攻で調達を依頼した
鬱屈とした入院生活に光明が見えた気分である

━余談━
いやね、モバイル自体はザウルスがあったんだけど、タッチパネルなんでキーレスポンスが悪く、ストレス抱えまくりなんで、早々に使うのを諦めてました
ましてや入院中は書くことが山ほどあるし
やっぱりキーボードが無いと駄目っす
11月7日
本日は木曜日なんで、義務と権利のようにチャンピオンを読みに行く

今日はOさんの手術の日だという以外にこれといったイベントも無く、暇なんで寝る事にした

壁一枚隔てた隣では、ドリルとハンマーの音がうるさかったが、不屈の闘志で寝てた

以上、今日はイベントもなくダラダラと過ごした

Sさんから情報来ねぇなぁ

11月8日
メシの後、売店めぐりをする
病院の敷地内には店なんぞ2つしかないんだが、道路を挟んだすぐそこにはコンビニがある
気合を入れて、車椅子ながら道路を横断する事にした
まさにはじめてのコンビニであり、NHK教育である
まあ、購入したものこそ無かったが、気合があれば道路も越えられるとわかり、有意義ではあった

Oさんが手術から戻った
いや、いままで手術してたわけではなく、処置室にいただけなんだが
でもまぁ、それも手術の延長なんだろうなぁ

で、拙者はというと、本日が抜糸の日である
ギプスを取り糸を抜く
麻酔なんぞない
通常部は糸が引っ張られてチクチクするが、神経が切れてる部分はひっぱられている感触しかなく気持ち悪い
んで、糸を抜いた後はスプレーを吹きかけ、テープを傷口に貼る
これで処置終了である
今まで傷口が痒かったのが緩和されるかのぅとか思った
で、膝の皿が通常は移動がどうたらとかいう話をされた
どうでもいい話しの範疇に入っていたので、真剣に記憶なんぞしてない

で、検温、足曲げを実施
本日の角度は67度
あいかわらず曲がんねぇなぁ・・・

あまりにも曲がらないんで眠くなってきたんで寝た

思う事あって、売店でマルボロなんぞ買ってみた
そういや今年は三菱がラリーで勝ってないねぇ
深い意味は無い

夕飯の後、Mさんによって差し入れされていた本を読む事にした
京極夏彦の「姑獲鳥の夏」である
やべぇ、面白いや

━余談━
京極夏彦の本は面白いんだけど、1冊あたりの量が異様に多いんで(新書でレンガくらいの厚さがあるし)読み出すと早いんだが、読み出すまでが大変である
実際差し入れしてもらった日から実際に読み出すまで、かなりかかってるし

11月9日
Oさんが手術後恒例の悶絶をしている
拙者の手術後もこんな風に見られてたんだろうなぁと、人事のように見ていた
いや、実際人事なんだが

昼飯を終えた頃、Iさんに7階への移動話が出た
この日は未遂に終わったんだが、また異動されるのか・・・やだねぇ

伯母が面会に現れた
いつも通りの有り難いお話を聞かされて釈放された
どうも伯母さんには合うたびに説教されているような気がする

足枷が取れたのでシャワーが使えるんで、早速使用予約をして入ってみた
30分の時間制限を短く感じつつもシャワー終了
シャワーを上がった後、左足から垢が出まくりでびびる

「姑獲鳥の夏」を読み終える
良質の本(&作者)だと認識し、心のランキングに急浮上する事になった
難を言うならば、そのレンガほどもある厚み故、本を読み始めるのに気力が必要だという事くらいか

ふとしたことで、Iさんと麻雀する事になった
ゲームボーイアドバンスは、ゲームによっては通信ケーブルがあればカートリッジ1つで対戦ができる
んで、拙者が持参したゲーム「西原理恵子の殿堂麻雀」は、その対応ソフトなのである
対戦結果は勝ったり負けたりだったさ

んで、本日もSさんが面会に登場
以前話したペルソナは売切れだったそうだ
かわりに新型のペルソナが入荷してたとの情報を得、速攻で買ってもらうよう依頼した

11月10日
この日は特にイベントが無かった
Iさんと麻雀をやったり、CPMをやったりと、まあ、劇的な"何か"は無かった

夕方、AさんとSさんとYさんが面会に登場した
Sさんに依頼した新型ペルソナが、またも売り切れとの事
俺ぁ神を呪ったね、まじで

11月11日
京極夏彦「魍魎の匣」を読み出す
足曲げの最中も読んでたし

それはそうと、本日よりリハビリ開始である
まずは説明を聞き、しかる後に足に過重をかけたり、歩いてみたりと、出来る事の確認を行った
今日は顔見せ程度で、明日から本格的にリハビリ開始だそうだ

リハビリを終えて、初の車椅子無しでの売店までの移動
杖をつきつき、えっちらおっちらと売店まで行って帰ってきた

いらん苦労をして帰ったところ、イトコが面会に現れた
で、1週間前に製作した眼鏡を持ってきてくれた
うわお、すっげぇ嬉しい
急に視界が開けた
同室のIさんの顔を始めて顔として認識できたし
これでもう、ヤー公みたいに周囲を睨みながら移動する生活ともおさらばさっ
ビバ、視力!!

嬉しさのあまり、歩いてコンビニまで行ってみた
なんと、売り物に我が全面支持を表明した飲茶楼があるではないですか
どうやら中国茶としてシリーズ展開するらしいな、こりゃ
ゴルゴと一緒に買って、病室で飲んださ

夜、Iさん持参のDVD「アルマゲドン」を見た
隕石に重力があったり、大都市にばかりピンポイントで隕石が落ちてきたりとかいう点に目をつぶれば面白いものであった

━余談━
今日眼鏡が届いたワケだけども、後のIさんの証言によると、初めて拙者を見たときはヤバイ人かと思ったそうである
長髪でヒゲで、目が悪い人特有の険しい目をしてうろついてたせいだとの事
でも、お見舞いに来る人はみんな普通だし、拙者自身目が悪いと言っていたんで、実は普通の人なんじゃないかと思って、思い切って声をかけてみたそうな

11月12日
今日は病室の空いているベッドに新参者が入ってきた
短期の入院患者だからどうでもいい話だが

シャワーを予約して入る
足枷がないと自由でいいのぅ
まあ、膝が曲がらないんで不便は不便なんだが

んで、メシを終わってからリハビリなんぞする
まずは大きな三角錐に膝を置き、重力で強制的に曲げる事20分ほど放置
これがけっこうしんどい
その後、2kgの重りをつけ右足の上げ下ろしを50回
どうでもいいが、何故曲がる方の足を鍛えるんだ?
で、その後屈伸して本日のリハビリは終了
実質曲がる角度が50度だと言われ凍りついた

その後、IさんOさんと共に山崎で優雅にエスプレッソなんぞ飲みながら会談
話の内容が下品なんで、優雅さは50%程度ダウンなのはご愛嬌

夜メシを喰らいその辺を徘徊し、21時に就寝
最近は疲労がもの凄いねぇ、実際

━余談━
この頃車椅子と平行して使っていたのが歩行機
腕で足にかかる負担を軽減するというシステムである
結構原始的な仕組み

11月13日
起きると筋肉痛で、足が悲鳴をあげてます

総回診でどうでもいい診断をされた
まあ、そもそも総回診なるものは医師の勉強会なんでしゃあないんだろうけど、患者の体で勉強してるんだから、もうちょっと熱心に診てくれよ

本日は、手術前から長らく愛用していた車椅子の「ギャラクティック流星号」を放棄した
あばよ、いい車だったぜ

本日は京極夏彦の3冊目の本の読破に取り掛かる事にした
「百器徒然袋━雨」である
読む順番が違うって事実は後で知るんだが

で、その後は足曲げをやって、メシを喰い、小説を読んで、リハビリに行く
その後は山崎でコーヒー飲みつつ雑談と、いつものコースだなこりゃ

そんな事をしていたら、月初めに退院させられたTさんが登場し、会談に加わった
その時出た話が膝の筋肉の癒着話である
膝の曲がりが思わしくなく、再手術を恐れる今の拙者の心胆を寒からしめる話だった
膝の筋肉ってすぐに癒着するんだとさ
癒着したら剥さなきゃならん → すわ、再手術か
以上の論理である
怖いよぅ・・・

その後、モバイル━━ちゅうか、ネットに繋ぐツール━━が欲しくて仕方が無いので、手頃なのが無いかどうかを調べてもらおうと思い、Sさんに電話してみる
と、見てきてくれるとのことである

メシの後、Sさんが面会に来てくれた
手頃なのはないが、バイオのサブノートがなかなかイイとの事
転勤を見越して買おうかな、とSさんは言う
まあ、損はしない買い物だろうな、とは思う

本日は23時頃に就寝した

11月14日
今日は朝からすっげぇ筋肉痛である
まあ、昼過ぎから筋肉痛になるのは至難の業だが…

毎日リハビリで、足の関節を強制的に曲げられているんだが、今日は膝の何かが動いたような気がした
このときの拙者には、それが何かはわからなかった
それが何だったにせよ、激痛を伴った事だけは確かである
その後歩くのがしんどいのなんのって・・・

11月15日
今日も今日とて筋肉痛〜っと
筋肉が順調についているのか、それとも筋肉が落ちてるからちょっとしたことで筋肉痛になるのかは不明であるが、移動がしんどくてたまらんて

同質の新入りは退院で退院である
後から来たのに追い越され〜♪

今日のリハビリの痛みは昨日よりマシだった
マシだっただけで、痛くないわけじゃあ断じてないんだが

Sさんが面会に訪れ、牛皿を差し入れしてくれた
シャバの食い物はうまいのぅ
バイオを購入するため、本格的に見てくるとの事である
買ったら使わない間は貸してくれるそうだ
うわ、それはすっげぇ有り難いっす

百器徒然袋━雨が面白いため、2時過ぎまで起きて読んでいた
イカスぜ京極夏彦


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